久々に技術系の話題をひとつ。
界隈では衝撃的な出来事だったのだが、この春ネットラジオの大きな改編があった。
あえて直截的には名前を挙げないが、技術的な観点でいうと、自社運営からドワンゴの提供する『sheeta』1)https://www.sheeta-info.com/というファンコミュニティ運営サービスに移行した。
感覚としては、同じサービスをベースとした『ニコニコチャンネルプラス』と同種の形態となったという理解が早かろう。
そのため、配信形態も固定URLのHLSプレイリストから、都度ライブ配信が立てられ、セッションなどがパラメータとして含まれるHLSプレイリストを参照する方式へと変貌することとなった。
界隈ではその方式に対応しなければ録画・録音できなくなる、ということで、ひと騒動あったわけだが、Webスクレイピングと録画等のシステム構築までは素直に行ったものの、動作環境であるところのRaspberry Pi OSとUbuntuの差異に翻弄され、対応に2週間ほどを要した。
つまりは、ある程度の目処が立ったので、このブログをまとめている。
具体的な対応としては、OpenSSLのアップデート(正確には最新ソースからのビルド)と、プリインストールされていたFFMPEGからはGnuTLSでなくOpenSSLを参照するようカスタムして、最新ソースをビルドしたぐらいである。ちなみに、いくつかのサイト2)https://zenn.dev/tatsuto/articles/openssl-source-build3)https://nyarinkopv.hatenablog.com/entry/2020/05/11/232455は大変参考になったので、備忘と謝辞を兼ねて掲げておきたい。
それでも、Raspberry Pi OSでは上手くいかなかったが、Ubuntuの方は動作が改善したので、この際、ベースとなっているDebianの更新も兼ねて、OSにはUbuntuを採用して、録画等の環境を再構築することにした。
元々動かしていたのはbusterだったので、ちょうどLTSが切れていたというのもあり、Bookwormへの移行はいい機会でもあった。
各対応を敷衍しておくと、参考サイトにもあるとおり、OpenSSLのビルド時には構成スクリプトに、
‘-Wl,-rpath,$(LIBRPATH)’
――とオプションを付けておかないと、インストール後にライブラリ関係で大騒ぎされるし、FFMPEGのconfigurationでは、
–enable-gnutls–enable-openssl
――とした。他にも、パッケージが存在しないとかでデフォルトからはいくつか変更したが、環境にもよるので追加インストールやらオプションから外すことを地道にやるしかない。
あと、Raspberry Pi OSとUbuntuの違いで懸念となるのは、このトピックス4)https://forum.raspida.com/community/topicid/43にもあるように、Arm64環境でのUbuntuの場合、DRMコンテンツには対応していないことだ。
とは言え、Raspberry PiでPrime Videoなどを視聴する予定はないし、おそらく実害はないだろう。
註
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